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溺れて飛べずに仲間達

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2010/11/29(月) 22:49:35
何やらホールが騒がしい。
その日は特に急を要するミッションもなく自室に篭って寝ていたのに。
眠い目を擦りながら外へ出ると、隣の部屋の彼女も同じような顔をして部屋から頭を出したところだった。

「何だろうね?」

問い掛けると首を傾げる彼女に微笑する。
その仕草一つが好きだから。

「…ね、お散歩、しない?」

笑顔で頷いてくれた彼女に、今度は思わず破顔した。



ホールでは少人数が集まって隅に花を添えていた。
その中央にサングラスを掛けた青年の遺影が置かれている。
確か、ここへ来て初めて目にした戦場、死、恐怖
そう、エリックさん、だったか。
今日は彼の命日らしい。
入隊したてだったあの頃の自分達は恐ろしさしか見えていなかった。
今なら心から弔える。
2人は花を急遽買い、一輪ずつ供えた。



「ねぇ、もし俺が死んだらさ、お供えは、チョコにしてね」

そのままアナグラの屋上に出て市街地を眺めながら思わず呟いた。
運よく今まで生きてこられたが、明日どうなるかわからない世界に生きている
そんな事を改めて実感したから。
彼女がこちらを見たのが空気でわかった。

「あ、それか、ポッキーも、いいな。きのこの山も、好き。…って全部、チョコか」

花に囲まれた自分の遺影にチョコレートが供えられている場を想像してみる。
明日それが起こってもおかしくない。
遠い未来じゃないかもしれない。
自嘲気味に顔を歪めた。

そして、ふと上司を思い出す。

「…それから…もし、俺がアラガミ…」

言い終わらないうちに、頭ががくんと揺れた。
後頭部にずきずきする感覚が広がる。
訳が解らず振り向くと、手をグーにした彼女が顔をくしゃくしゃにして泣いていた。


「バカ!!大ッ嫌い!!」


唖然として口をぽかんと開けている間に彼女は走って行ってしまった。
ガシャンと錆びた扉が閉まる音で我に返る。
そのまま力無くしゃがみ込んだ。


当初、食べ物を食べたいがためだけに必死で生きていた。
今ではもう必死で食事する事もなくなった。
今目を閉じて一番に思い浮かぶのは、
彼女の泣き顔

そうだ。
笑っている彼女が好きだ。
あんな泣き顔、もうさせたくない。
彼女の笑顔のために、これから必死で生きていこう。



ゆっくり立ち上がってズボンについた埃をはたく。
どうやって謝ろうか、と頭を掻きむしりながら錆びた扉を思い切り引いた。

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